Rainbow – Since You’ve Been Gone (紹介&和訳)

今回ご紹介するのはレインボーの「Since You’ve Been Gone」です。

Since You’ve Been Gone

レインボーによるカヴァー (1979)

Rainbow – Since You've Been Gone

インペリテリによるカヴァー (1988)

Impellitteri – Since You've Been Gone

ラス・バラードによる原曲 (1976)

Russ Ballard – Since You've Been Gone (Supersonic, 1976) FAMILIAR ???

この曲について

「Since You’ve Been Gone」は、イギリスのシンガーソングライターであるラス・バラードが1976年にリリースしたアルバム『Winning』の収録曲。 ただし、この曲はイギリスのハードロックバンドであるレインボーがカヴァーしたことにより有名になったため、以下ではレインボーの演奏するヴァージョンについて筆述する。

レインボーによる「Since You’ve Been Gone」のカヴァーは、1979年リリースの第5作『Down To Earth』に収録された。レインボーは幾度もメンバーチェンジを繰り返しているが、『Down To Earth』制作時のメンバーは、 リッチー・ブラックモア(Gt.)、グラハム・ボネット(Vo.)、コージー・パウエル(Dr.)、ロジャー・グローヴァー(Ba.)、ドン・エイリー(Key.)の5名であった。

リッチー・ブラックモア(Gt.)とロジャー・グローヴァー(Ba.)

かのディープ・パープルの黄金期を築いたリッチー・ブラックモアとロジャー・グローヴァー、ホワイトスネイクやブラック・サバスを始めとする大物バンドで名演を遺したコージー・パウエル、オジー・オズボーンやゲイリー・ムーアなどのカリスマを支えたドン・エイリーと、この時代のメンバーは綺羅星の如くだ。ただし「Since You’ve Been Gone」 に限って言うなれば、グラハム・ボネットの存在感と必需性は前述の面々を遥かに凌ぐ。

コージー・パウエル(Dr.)とドン・エイリー(Key.)

原曲であるラス・バラードのヴァージョンを聴けば明らかだが、はっきり言って「Since You’ve Been Gone」の曲調はロックとは程遠い。 原曲ではピアノで演奏していたメインリフを、レインボーはギターで演奏するなどしているが、楽器演奏だけを聴けばギターもドラムもベースも軽やかで、非常にポップな印象だ。現にコージー・パウエルはレコーディング中に「この曲はロックではない!」と強く主張し、対してバンドリーダーであるリッチー・ブラックモアは「どうしても収録する!でなければお前を解雇する!」と譲らなかったため、両者殴り合いの大喧嘩に発展したという。

そんなロックとは縁遠い楽曲を、ハードロックバンドたるレインボーの代表曲のひとつにまで押し上げているもの…それがグラハム・ボネットのパフォーマンスである。ボネットの発声法に関しては、個人的にはかなり特異な印象を受ける。ハイトーンヴォーカリストにありがちな「(ヘッドボイスなどの)テクニックを駆使して、なんとか高音域を出そうとする」感が全くないのだ。

グラハム・ボネット(Vo.)

クラシック音楽の領域にはなるが、中音域から高音域に向かっていくときに、特定の音域で声帯の向きが変わる。この音域のことをパッサッジョ(=チェンジ)といい、このパッサッジョに対処する(=巧みにチェンジする)練習を怠っては、中音域と高音域の音色が全く異なったものとなる(中音域は柔らかく豊かなのに、高音域は細く金属的な響きになるなど)。本人が意識していたかはわからないが、ボネットの前任のロニー・ジェイムズ・ディオは中音域も高音域も歌声が全く同質であることから、パッサッジョへの対処は完璧になされているという印象を受ける。

ボネットの前任であったロニー・ジェイムズ・ディオ

これを踏まえて、ボネットのパフォーマンスを「Since You’ve Been Gone」で確認してみよう。まずAメロ・Bメロを聴いてみると…さすがは名ヴォーカリスト。そもそもの声質が非常にパワフルなうえ、中音域の硬質で少しハスキーな歌声はセクシーでもある。そして、サビではボネットの高音域での歌唱が披露されるわけだが…この歌声にはクラシック的な発声を重んじる方からは批判があるだろう。チェンジもへったくれもなく、完全に地声(チェストボイス)で高音域まで駆け上がっている。終盤の転調後のサビは彼の最高音域なのだろうか、がなり立てるような、喉を引き絞るような歌声となっている。※ライヴではさらに顕著

ここまで書くと、ボネットのパフォーマンスを酷評しているように読めるだろう。しかし、企図するところは全く逆である。そもそも適切にチェンジをしなければならない理由のひとつは、中音域の発声法で高音域を無理矢理出していると、常人ではすぐに喉を傷めてしまうからだ。にも関わらず、ボネットはその長大なキャリア(50年以上)にわたり歌い続けても、その歌声はほとんど衰えていない。相変わらずの歌い方で、目が覚めるようなハイトーンを披露している。ここから導き出される結論は…ボネットは尋常ではない喉の持ち主で、非凡なヴォーカリストだということだ。

最近のグラハム・ボネット

そんなボネットにしか披露できない激烈で男らしいハイトーンボイスは、まさにロックのヴォーカル・パフォーマンスの鑑であり、前述のとおりポップな「Since You’ve Been Gone」にロック・スピリットを加え、同曲を「ロックの名曲」として開花させた。そういう観点から「Since You’ve Been Gone」という楽曲における最大の功労者はグラハム・ボネットだと書かせていただいたわけである。

あれこれと語ってしまったが、アルバム『Down to Earth』には「Since You’ve Been Gone」 だけでなく、壮大でヘヴィでダークな「Eyes Of The World」、ライヴでは会場全体が躍動する「All Night Long」、パウエルの渾身のパフォーマンスにのけぞる「Lost in Hollywood」など、レインボー屈指の名曲が目白押しであるため、未聴の方はぜひともご一聴いただきたい。

歌詞 & 和訳

I get the same old dreams
Same time every night
Fall to the ground then I wake up
So I get out of bed
Put on my shoes and in my head
Thoughts slide back to the break up

These four walls are closing in
Look at the fix you put me in

Since you’ve been gone
Since you’ve been gone
I’m out of my head can’t take it
Could I be wrong
But since you’ve been gone
You cast a spell so break it

Since you been gone

So in the night I stand
Beneath the backstreet light
I read the words that you sent to me
I can take the afternoon
But night time comes around too soon
You don’t know what you mean to me

Your poison letter, your telegram
Just goes to show you don’t give a damn

Since you’ve been gone
Since you’ve been gone
I’m out of my head can’t take it
Could I be wrong
But since you’ve been gone
You cast a spell so break it

Since you’ve been gone

If you will come back
Baby, you know you’ll never do wrong

Since you’ve been gone
Since you’ve been gone
I’m out of my head can’t take it
Could I be wrong
But since you’ve been gone
You cast a spell so break it

Ever since you been gone

Since you’ve been gone
Since you’ve been gone
I’m out of my head can’t take it

Since you’ve been gone
Since you’ve been gone
I’m out of my head can’t take it

毎晩、同じ時間
いつも昔の夢を見る
床に落ちて目を覚まし
ベッドを抜け出して
靴を履きながら、頭の中では
あの別れを思い出してる

四方の壁が迫ってくるみたいだ
見ろよ、お前のせいでこの有様さ

お前がいなくなってから
お前がいなくなってから
とても正気じゃいられない
間違っていたかもしれない
でも、もうお前はいないんだ
俺にかけた呪いを解いてくれ

お前がいなくなってから

そして、夜になると
俺は街灯の下に立ち
お前が送ってきた手紙を読む
昼間は気が紛れるけれど
すぐに夜がやってくる
お前がどんなに大切か分からないのか

お前の毒に塗れた手紙と電報
俺のことなんてどうでもいいんだな

お前がいなくなってから
お前がいなくなってから
とても正気じゃいられない
間違っていたかもしれない
でも、もうお前はいないんだ
俺にかけた呪いを解いてくれ

お前がいなくなってから

もしも帰ってきてくれるなら
それが間違いじゃないって分かるはずだよ

お前がいなくなってから
お前がいなくなってから
とても正気じゃいられない
間違っていたかもしれない
でも、もうお前はいないんだ
俺にかけた呪いを解いてくれ

お前がいなくなってから

お前がいなくなってから
お前がいなくなってから
とても正気じゃいられない

お前がいなくなってから
お前がいなくなってから
とても正気じゃいられない

収録アルバム

『Down To Earth』1979年リリース
  1. All Night Long (Ritchie Blackmore, Roger Glover)
  2. Eyes of the World (Blackmore, Glover)
  3. No Time to Lose (Blackmore, Glover)
  4. Makin’ Love (Blackmore, Glover)
  5. Since You Been Gone (Russ Ballard)
  6. Love’s No Friend (Blackmore, Glover)
  7. Danger Zone (Blackmore, Glover)
  8. Lost in Hollywood (Blackmore, Glover, Cozy Powell)

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