Eric Clapton – Layla (紹介&和訳)

今回ご紹介するのはエリック・クラプトンの「Layla」です。

Layla (邦題:いとしのレイラ)

Derek and the Dominos – Original (1971)

Eric Clapton – Unplugged (1992)

歌詞 & 和訳

What will you do when you get lonely
And nobody’s waiting by your side
You’ve been running and hiding much too long
You know it’s just your foolish pride

Layla, you’ve got me on my knees
Layla, I’m begging, darling please
Layla, darling won’t you ease my worried mind

I tried to give you consolation
When your old man had let you down
Like a fool, I fell in love with you
Turned my whole world upside down

Layla, you’ve got me on my knees
Layla, I’m begging, darling please
Layla, darling won’t you ease my worried mind

Let’s make the best of the situation
Before I finally go insane
Please don’t say we’ll never find a way
And tell me all my love’s in vain

Layla, you’ve got me on my knees
Layla, I’m begging, darling please
Layla, darling won’t you ease my worried mind

孤独を感じたとき君はどうするんだ
誰も君のそばにいてくれないときに
君はずっと逃げ隠れしてきたけれど
くだらない見栄だって気づいてるだろう

レイラ 君の前にひざまずくよ
レイラ お願いだ、愛しい人
レイラ 苦しむ心を癒してくれ

君を慰めようと思ったんだ
昔の恋人が君を落ち込ませたときに
馬鹿みたいに君に恋してしまった
世界が全てひっくり返ってしまったんだ

レイラ 君の前にひざまずくよ
レイラ お願いだ、愛しい人
レイラ 苦しむ心を癒してくれ

一緒に最高の状況を作り出そう
遂に俺がおかしくなってしまう前に
俺達には決して未来がないなんて
俺の愛が無駄なんて言わないでくれ

レイラ 君の前にひざまずくよ
レイラ お願いだ、愛しい人
レイラ 苦しむ心を癒してくれ

収録アルバム

Layla and Other Assorted Love Songs (1971)

① I Looked Away (Eric Clapton, Bobby Whitlock)
② Bell Bottom Blues (Clapton, Whitlock)
③ Keep on Growing (Clapton, Whitlock)
④ Nobody Knows You When You’re Down and Out (Jimmy Cox)
⑤ I Am Yours” (Clapton, Nizami)
⑥ Anyday (Clapton, Whitlock)
⑦ Key to the Highway (Charles Segar, Willie Broonzy)
⑧ Tell the Truth (Clapton, Whitlock)
⑨ Why Does Love Got to Be So Sad? (Clapton, Whitlock)
⑩ Have You Ever Loved a Woman (Billy Myles)
⑪ Little Wing (Jimi Hendrix)
⑫ It’s Too Late (Chuck Willis)
Layla (Clapton, Jim Gordon)
⑭ Thorn Tree in the Garden (Whitlock)

Unplugged (1992)

① Signe (Eric Clapton)
② Before You Accuse Me (Bo Diddley)
③ Hey Hey (Big Bill Broonzy)
④ Tears in Heaven (Clapton, Will Jennings)
⑤ Lonely Stranger (Clapton)
⑥ Nobody Knows You When You’re Down and Out (Jimmy Cox)
Layla (Clapton, Jim Gordon)
⑧ Running on Faith (Jerry Lynn Williams)
⑨ Walkin’ Blues (Son House)
⑩ Alberta (Traditional, Huddie William Ledbetter)
⑪ San Francisco Bay Blues (Jesse Fuller)
⑫ Malted Milk (Robert Johnson)
⑬ Old Love (Clapton, Robert Cray)
⑭ Rollin’ and Tumblin’ (Muddy Waters)

ひとこと

「Layla (いとしのレイラ)」はデレク・アンド・ザ・ドミノスが1971年にリリースしたアルバム「Layla and Other Assorted Love Songs 」の収録曲であり、作詞・作曲を行ったエリック・クラプトンが長年にわたり演奏している彼の代表曲です。曲名でピンとこなくとも、有名なギターフレーズには聴き覚えがある人が多いのではないでしょうか。※エリック・クラプトンのキャリアについてはこちらの記事をご参照ください。

1960年代後半、クラプトンはパティ・ボイドという女性に熱烈な恋をしました。しかし、困ったことに、ボイドはクラプトンの親友であるビートルズのジョージ・ハリスンの妻だったのです。抑えがたい恋慕の情、裏切れない親友との絆…苦悩するクラプトンの心中の発露として「Layla」が生み出されたといえるでしょう。

クラプトンとハリスンとボイド

「Layla」という曲名や歌詞の内容については、12世紀のペルシア文学の詩人 ニザーミー・ギャンジェヴィーによる『ライラとマジュヌーン』に材を取ったようです。クラプトンは自叙伝で「(『ライラとマジュヌーン』は)ロマンチックなペルシャのラブストーリーで、青年マンジュンが美しいライラと情熱的な恋に落ちるけれど、彼女の父親から結婚を禁じられ、欲望のままに気が狂ってしまう話だ」と語っています。クラプトンとボイドのその後については、数多の書籍やサイトで語られていますので、以下には「Layla」にかかる私の所感を。

まず記しておきたいのは、「Layla」はクラプトンの代表曲であると同時に、デュアン・オールマンの代表曲であるということです。デュアン・オールマンは1960年代後半に活躍したギタリストで、指にガラス瓶などをはめて演奏する「スライドギター(ボトルネック奏法)」の伝説的名手でした。※通常、ギターはフレット(ネックに打ち付けられた金属製の棒)で音程を定めますが、スライドギターの場合はフレットで音程を定めることができないため、的確な音感が求められる難度の高い奏法です。

デュアン・オールマン (1946.11.20~1971.10.29)

不幸にも、デュアンは1971年にオートバイ運転中の事故で24歳の若さで他界してしまいますが、その前年である1970年に彼は「Layla」のレコーディングに参加しました。彼のスライドギターは「Layla」のロックパートでは叶わぬ恋を嘆くような強烈な旋律を、バラードパートでは空を舞う鳥のような美しい旋律を奏でています。

なお、ロックパートでのギターソロは、フレットにとらわれないギターの最高音域(スライドギターだからできる奏法)に至っていますが、これこそデュアンの超絶技巧を示すものといえるでしょう。余談ですが「Layla」の一番最後には「ピヨピヨ」という鳥の声のような音が入っており、これもデュアンがスライドギターで出している音です。

ところで、この記事を書いている平成31年4月13日は、クラプトンの通算22回目となる来日公演 「Eric Clapton / Live at BUDOKAN 2019」の初日です。前回の来日時(2016年4月)には、ヒット曲を排し、ブルースを主軸としたステージが話題を呼びましたが、今回は果たしてどのようなセットリストが組まれるのでしょうか。私も最終日である4月20日に参戦しますので、非常に気に掛かるところです。

今回の5公演を入れると、来日公演数は96回になるという!

自分の演奏したい音楽を披露するという姿勢は芸術家として素晴らしいと思いますが、次回があるか分からない来日公演ですから、多少なりとも代表曲を聴きたいところです。そんな代表曲の最たるものとして「Layla」が聴ければ言うことはないですが、最近のクラプトンのレイドバック具合から判断するに「Layla」を演奏したとしてもオリジナルヴァージョンかどうかは分かりません。1992年にリリースされた『Unplugged』収録のアコースティックヴァージョンとなる可能性も高いのではないでしょうか。とはいえ、オリジナルヴァージョンのような派手さはないにしても、アコースティックヴァージョンも非常に味わい深い名曲ですから、どちらが聴けても御の字なわけですが。

セットリストを事前に確認して予習をしてから臨むべきか、当日まで情報をシャットアウトして「Layla」を含む代表曲が演奏されるかというワクワク感を楽しむべきか…まことに悩ましい。なお「Eric Clapton / Live at BUDOKAN 2019」参戦当日の模様については、後日、詳しく記事を書く予定です。

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