Whitesnake – Love Ain’t No Stranger (紹介&和訳)

今回ご紹介するのは、ホワイトスネイクの「Love Ain’t No Stranger」です。

Love Ain’t No Stranger (1984&1987)

ホワイトスネイクについて

ホワイトスネイクは、ディープ・パープルを脱退したデイヴィッド・カヴァデール が1978年に結成したイギリスのハードロックバンド。当初はディープ・パープルのようなブルースロックバンドとして評されたが、バンドは徐々に商業的で分かりやすいロックスタイルへと音楽性を変化させていった。アルバム『Ready an’ Willing (1980)』『Come an’ Get It (1981)』『 Saints & Sinners (1982)』をリリースする頃からバンドの活動は軌道に乗り、続く『Slide It In (1984)』では初のUKチャートインを果たした。

David Coverdale (1951.9.22~)

そして、ビルボード・ホット・100で1位と2位を占めたヒット曲「Here I Go Again」「Is This Love」を収録するアルバム 『Whitesnake (1987)』は世界的な大ヒットとなる。アルバムはアメリカで8度のプラチナディスク認定を受けた上、 この成功をもって、バンドは1988年にブリット・アワードで「Best British Group」として表彰された。続く『Slip of the Tongue (1989)』も全英・全米ともにチャートインするヒットとなり, プラチナディスク認定を受けた。

『Slip of the Tongue』のリリース後にバンドは一時分解したような形となるが、1994年に再結成し、アルバム『Restless Heart (1997)』をリリース。2002年にはメンバーの再編成を行い、その後は『Good to Be Bad (2008)』『 Forevermore (2011)』『 The Purple Album (2015)』 をリリースするなど、現在も精力的に活動している。

この曲について

収録アルバム

Slide It In (1984年UKオリジナル版)
  1. Gambler (David Coverdale, Mel Galley)
  2. Slide It In (Coverdale)
  3. Standing in the Shadow (Coverdale)
  4. Give Me More Time (Coverdale, Galley)
  5. Love Ain’t No Stranger (Coverdale, Galley)
  6. Slow an’ Easy (Coverdale, Micky Moody)
  7. Spit It Out (Coverdale, Galley)
  8. All or Nothing (Coverdale, Galley)
  9. Hungry for Love (Coverdale)
  10. Guilty of Love (Coverdale)
Slide It In (1987年USリミックス盤)
  1. Slide It In (Coverdale)
  2. Slow an’ Easy (Coverdale, Micky Moody)
  3. Love Ain’t No Stranger (Coverdale, Galley)
  4. All or Nothing (Coverdale, Galley)
  5. Gambler (David Coverdale, Mel Galley)
  6. Guilty of Love (Coverdale)
  7. Hungry for Love (Coverdale)
  8. Give Me More Time (Coverdale, Galley)
  9. Spit It Out (Coverdale, Galley)
  10. Standing in the Shadow (Coverdale)

参加アーティスト

  • David Coverdale – リードボーカル
  • Mel Galley – ギター、バッキングボーカル
  • Micky Moody – ギター
  • Colin Hodgkinson – ベース
  • Jon Lord – キーボード
  • Cozy Powell – ドラム
  • John Sykes – ギター (リミックス盤)
  • Neil Murray – ベース (リミックス盤)

歌詞&和訳

Who knows where the cold wind blows
I ask my friends, but, nobody knows
Who am I to believe in love
Oh, love ain’t no stranger

I looked around an’ what did I see
Broken hearted people staring at me
All searching ’cause they still believe
Oh, love ain’t no stranger

I was alone an’ I needed love
So much I sacrificed all I was dreaming of
I heard no warning, but, a heart can tell
I’d feel the emptiness of love I know so well

Love ain’t no stranger
I ain’t no stranger
Love ain’t no stranger
I ain’t no stranger to love, no, no, no

Can’t hold the passion of a soul in need
I look for mercy when my heart begins to bleed
I know good loving an’ I’m a friend of pain
But, when I read between the lines it’s all the same

Love ain’t no stranger
I ain’t no stranger
Love ain’t no stranger
I ain’t no stranger to love

So who knows where the cold wind blows,
I ask my friends, but, nobody knows
Who am I to believe in love,
Lord, have mercy,
Love ain’t no stranger,

I was alone an’ I needed love
So much I sacrificed all I was dreaming of,
Can’t hold the passion of a soul in need,
I look for mercy when my heart begins to bleed

Love ain’t no stranger,
I ain’t no stranger
Love ain’t no stranger,
I ain’t no stranger to love

Love ain’t no stranger,
Love ain’t no stranger,
I ain’t no stranger

木枯らしはどこから吹くのだろうか
友達に尋ねても、誰も知らない
愛を信じる俺は何者なのか
愛を知らない人はいない

周りを見渡せば
傷ついた人々が俺を見つめている
彼らはまだ信じ、探している
愛を知らない人はいない

俺は孤独で、愛を求めていた
夢見るものの多くを犠牲にして
我を忘れていたけれど、心は言っていたよ
いつか愛の空虚さを感じることになるって

愛は他人じゃないんだ
俺も愛を知らないわけじゃない
愛を知らない人はいない
俺も愛を知らないわけじゃない

飢えた魂の情熱を抑えられない
心が血を流すとき、俺は慈悲を求める
素晴らしい愛を知っていても苦しむばかり
でも、本当は全て同じことなのさ

愛は他人じゃないんだ
俺も愛を知らないわけじゃない
愛を知らない人はいない
俺も愛を知らないわけじゃない

木枯らしはどこから吹くのだろうか
友達に尋ねても、誰も知らない
愛を信じる俺は何者なのか
愛よ、情けを示してくれ
愛は他人じゃないんだ

俺は孤独で、愛を求めていた
夢見るものの多くを犠牲にして
魂が求める情熱を抑えられない
心が血を流すとき、俺は慈悲を求める

愛は他人じゃないんだ
俺も愛を知らないわけじゃない
愛を知らない人はいない
俺も愛を知らないわけじゃない

愛は他人じゃないんだ
愛を知らない人はいない
俺も愛にとって他人じゃないんだ

ひとこと

『Slide It In』リリース時のホワイトスネイクはすごいメンツです。特にUSリミックス盤は、ボーカルはディープ・パープルで頭角を現し長年ロックシーンの第一線で活躍するデイヴィッド・カヴァデール、キーボードは同じくディープ・パープルのメンバーであったジョン・ロード、ギターはシン・リジィなどで骨太なプレイを披露したロックの貴公子ジョン・サイクス、ベースは正確なプレイに定評がありゲイリー・ムーアやブラック・サバスといったビッグネームとも活動したニール・マーレイ、そして伝説のドラマーであるコージー・パウエルと、まさに綺羅星の如くです。

今回ご紹介している「Love Ain’t No Stranger」でも上記のメンバーの演奏力は存分に発揮されています。まず、デイヴィッド・カヴァデールは持ち前の渋みのある歌声でバラードパートもロックパートも見事に歌い上げます。カヴァデールは1987年に喉のポリープによる手術を受け、その後は高音もスカーンと出るようになりましたが、低音の魅力はやや損なわれた感があります。そういう意味では、カヴァデールの低音のダンディさを味わいたいならこの曲もしくは 「Standing in the Shadow」あたりが最適でしょう。

John Sykes (1959.7.29~)

ジョン・サイクスの骨太でありながらメロディを活かした演奏も魅力的です。メロディラインを強く出すとナヨナヨした印象を与えるプレイになりがちですが、サイクスは力強さと美しさを同居させることができますね。また、サイクスは怒涛のようなマシンガンピッキングにも定評があるギタリストですが「Love Ain’t No Stranger」では速弾きを封印して旋律的なソロを弾いているのも印象的です。自身のスキル披露よりも楽曲重視といったところでしょうか。

コージー・パウエルのセンス溢れるドラミングにも脱帽です。パウエルはダブル・ベース・ドラムの使い手であること等から豪放なイメージを持たれがちですが、そのプレイは存外に堅実。もちろん高い演奏技術に裏付けされたものであり、個人的には「ガッチリ」したプレイをする人という印象があります。ただし、繊細でセンスに溢れたプレイも多くあり… レッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムも同様ですが、伝説的なドラマーの演奏からは歌心が感じられます。

Cozy Powell (1947.12.29~1998.4.5)

キーボードとベースの演奏技術に詳しくないので筆述しにくいところですが、もちろんジョン・ロードとニール・マーレイのプレイも素晴らしく、結果として「Love Ain’t No Stranger」を含む アルバム『Slide It In』は名曲揃いとなっています。代表作『Whitesnake』は聴きやすくポップですが、『Slide It In』も燻し銀で魅力的な仕上がりです。ぜひともご一聴ください。

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