今回ご紹介するのはジャーニーの「Stone in Love」です。
Stone in Love (1981)
この曲について
「Stone in Love」は、アメリカのロックバンドであるジャーニーが1981年にリリースしたアルバム『Escape』の収録曲。ジャーニーの代表曲である「Don’t Stop Believin’」「Who’s Crying Now」「Open Arms」も収録する『Escape』は大ヒットとなり、ジャーニーは7作目にして全米制覇を成し遂げた。それどころか、全世界で1,000万枚以上を売り上げるモンスター・アルバムとなったのである。
とはいえ『Escape』の成功は一夜で成ったものではない。むしろ、バンドが1975年に始動してから、ジャーニーはメンバーチェンジや音楽性の転向を繰り返す苦難の道のりを歩んでいた。1979年には初来日したが、ライヴでは集客に苦労し、人気が十分でないことを露呈する結果となった。ショックを受けたメンバーは、日本でのブレイクと日本武道館でのライヴ実現を目指すことを誓ったという。
そうした意気込みが『Escape』の制作にも反映しているのだろう、収録曲のサウンドはタイトで明るく聴きやすく、一聴しただけで印象に残る 。また、ジャーニーの最大の魅力とも言える美しいメロディがふんだんに盛り込まれている。
特に「Stone in Love」はこのような傾向が顕著に表れている楽曲だ。同曲はカラリとしたギターのカッティングに合わせ、スティーヴ・ぺリーが伸びやかに歌い出して幕を開ける。バンドの躍進に大きな貢献を果たしたとされるジョナサン・ケインのキーボードも随所で華を添える。
「ジャーニーの魅力はメロディだ」と前述したが、「Stone in Love」をよく聴いてみると、ヴォーカルやギターのみがメロディを担当しているのではないことがよく分かる。ロス・ヴァロリーのベースはリード楽器のようにうねりながら旋律を奏でているし、スティーヴ・スミスのドラムも緩急と硬軟を使い分けて歌心を感じさせる。
しかし、ジャーニーを語る上では、ニール・ショーンのギタープレイについて述べないわけにはいかないだろう。「Stone in Love」のギターソロを聴けば分かるとおり、ショーンのギタープレイは本当に美しい。激しくも伸びやかで、まさにギターが歌っているような風情だ。天才ギタリストと呼ばれる人物は多々いるが、メロディアスなフレージングに関しては、ショーンは群を抜いている。
バンド結成から既に40年が過ぎ、メンバーの大半は60歳を超えたが、ジャーニーは2019年現在も活動を続けている。バンドの黄金期を築いたスティーヴ・ペリーはとうに去っているが、現在のバンドを支えるアーネル・ピネダはペリーと瓜二つの声質と優れたテクニックを持つ名ヴォーカリストだ。次回の来日時にはぜひともライヴに参戦し、そのパフォーマンスを拝したいと考えている。
なお「Stone in Love」という言葉については、「(be) stone in love with~ = ~にすっかり夢中になっている, ~に完全に心を奪われている」と訳されることから、歌詞の主人公が「a blue jean girl」に夢中になっているというニュアンスで解することとした。
歌詞 & 和訳
Those crazy nights,
I do remember in my youth
I do recall, those were the best times, most of all
In the heat with a blue jean girl
Burnin’ love comes once in a lifetime
She found me singing by the railroad tracks
Took me home,
we danced by the moonlight
Those summer nights are callin’
Stone in love
Can’t help myself, I’m fallin’
Stone in love
Old dusty roads, led to the river
Running slow
She pulled me down, and in clover
We’d go around
In the heat with a blue jean girl
Burnin’ love comes once in a lifetime
Oo the memories never fade away
Golden girl, I’ll keep you forever
あのクレイジーな夜の連続
俺は忘れない、若かったあの頃
思い出すぜ、あの頃は最高だった
青いジーンズの娘と熱くなってさ
燃えるような恋は一生に一度だけ
あの娘は鉄道のそばで歌う俺を見つけて
家に連れてってくれたよ
2人は月明かりの中で踊ったのさ
あの夏の夜が呼んでいる
もう夢中なんだよ
俺は落ちずにいられない
どっぷりと恋の中へ
古くて埃に塗れた道は
ゆっくり流れる川へ続いていた
彼女は俺を引き降ろし、クローバーの上で
俺達はしばらく一緒に過ごした
青いジーンズの娘と熱くなってさ
燃えるような恋は一生に一度だけ
ああ、思い出は決して消え去りはしない
ゴールデン・ガール、永遠に俺のものさ
収録アルバム
- Don’t Stop Believin’ (Jonathan Cain, Steve Perry, Neal Schon)
- Stone in Love (Cain, Perry, Schon)
- Who’s Crying Now (Cain, Perry)
- Keep On Runnin’ (Cain, Perry, Schon)
- Still They Ride (Cain, Perry, Schon)
- Escape (Cain, Perry, Schon)
- Lay It Down (Cain, Perry, Schon)
- Dead or Alive (Cain, Perry, Schon)
- Mother, Father (Cain, Perry, Matt Schon, N. Schon)
- Open Arms (Cain, Perry)
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