中国古典名言集【その2】

前回に引き続き、中国故事名言bot のために作成したデータベースから、中国古典の名言を紹介していきます。

軍事・戦争

上、煩わしければ軽く、上、暇あれば重し。(『司馬法』厳位) 
将がせかせかしている軍隊は弱く、将がゆとりをもっている軍隊は強い。
およそ人は愛に死し、怒りに死し、威に死し、義に死し、利に死す。(『司馬法』厳位) 
人間を必死にさせるもの、それは愛情であり、怒りであり、権威であり、信義であり、利益である。
一将功成って万骨枯る。(曹松「己亥歳」) 
戦争においては、一人の将軍が手柄を立てるために万人の兵卒が骨となる。
勝兵はまず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵はまず戦いて而る後に勝ちを求む。(『孫子』軍形篇) 
勝利を収める軍隊は、まず勝利の条件を整えてから戦をはじめる。敗北を喫する軍隊は、戦を始めてから勝利をつかもうとする。
可なるを見て進み、難きを知りて退く。(『呉子』料敵) 
状況が有利と見れば進撃し、不利と見れば退却する。万一の勝利をたのみに行動してはならない。
彼を知り、己れを知れば百戦殆うからず。(『孫子』謀攻篇) 
敵について十分な知識をもち、自らについても長短よくわきまえているならば、いかなる場合も危険はない。
国士無双。(『史記』淮陰侯伝) 
国中に並ぶ者のない人。漢の韓信をたとえた言葉。
死地に陥りて而る後に生き、亡地に置きて而る後に存す。(『史記』淮陰侯伝) 
自軍を絶体絶命の窮地に置けば、かえって生き残る道を見つけるものだ。
四面皆楚歌す。(『十八史略』西漢 高祖) 
孤立無援。垓下の城壁を幾重にも包囲する漢軍から聴こえてくるのは、楚国の歌であった。
将たるものは当に怯弱の時あるべし。ただに勇を恃むべからず。(『三国志』曹操) 
将軍というものは、時には怯えて慎重に行動することも大切だ。いたずらに勇に逸ってはならない。
進退は疑うなかれ。敵を見て謀るなかれ。(『尉繚子』定爵) 
進退に際してはたじろぐな。敵に遭遇してから作戦を考えるな。
進むには名を求めず、退くには罪を避けず。唯だ民を是れ保つ。(『孫子』地形篇) 
指揮官たるものは、進軍にあたって功名を求めてはならないし、退却にあたって責任を逃れようとしてはならない。進むも退くも、ただ人民の安全を保つことを唯一の目的とすべきである。
戦陣の間には、詐偽を厭わず。(『韓非子』難一) 
戦時には、謀略をもって相手を欺くことも厭わない。
其の疾きこと風の如く、其の徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如く、知り難きこと陰の如く、動くこと雷霆の如し。(『孫子』軍争篇)
天我れを亡ぼすなり。戦いの罪に非ず。(『十八史略』西漢 高祖) 
自分が敗れたのは天命であって、戦いに弱くして敗れたのではない。窮地に陥った項羽が手兵二十八騎に言った言葉。
兵の形は水に象(かたど)る。水の行くは、高きを避けて低きに趨(おもむ)く。兵の形は、実を避けて虚を撃つ。(『孫子』執篇) 
軍勢の動きは、水の流れをかたどるべきだ。水は高所を避けて低所へ流れる。軍勢もまた、相手の主力を避けて手薄な所を撃つのである。
兵は過ちなきの城を攻めず、罪なき人を殺さず。人の父兄を殺し、人の財貨を利し、人の子女を臣妾とするは、これ皆盗なり。(『尉繚子』武議第八) 
戦争とはいえ過失なき国の城を攻め、罪なき人を殺してはならない。無闇に人の父兄を殺し、掠奪し、子女を奴隷や妾にするなどは、盗賊の所業である。
兵は勝ちを貴びて、久しきを貴ばず。(『孫子』作戦篇) 
戦争で大事なのは勝利を収めることであり、だらだらと戦い続けることではない。
兵は詭道なり。(『孫子』計篇) 
軍略の要諦は、敵を欺くことである。
兵は国の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざるべからず。(『孫子』計篇) 
戦争は国家の大事である。人の生死、国家の存亡を左右するものであるから、熟慮の上で行なわねばならない。
兵を作(おこ)すに義。事を作(な)すに時。人を使うに恵。(『司馬法』定爵) 
戦うには正当な理由が必要である。行動を起こすには時節が重要である。人を使うには恩情が必要である。
兵を用うるの法は、国を全うするを上と為し、国を破ること之れに次ぐ。(『孫子』謀攻篇) 
戦においては、敵国を滅亡させないで勝利をおさめるのが最上である。敵国を滅ぼすのは、真に止むを得ない場合だけだ。
将、軍に在りては、君命も受けざるところあり。(『史記』孫子呉起列伝) 
将が軍を率いて戦場にある時は、たとえ主君の命令であっても受け入れるとは限らない。
用兵の道は、心を攻むるを上となし、城を攻むるを下となす。(『三国志』諸葛亮) 
戦争においては、相手を心服させるのが上策であり、武力で屈服させるのは下策である。
善く戦う者は、之れを勢に求めて人に責めず、故によく人を択んで勢に任ず。(『孫子』兵勢篇) 
戦上手は、勝敗の要因を軍全体に勢いがあるかどうかに求めて、兵士個々人の戦闘能力に求めない。
善く戦う者は勝つとは、勝ち易きに勝つ者なり。(『孫子』形篇) 
戦上手とは、勝ちやすい機会をとらえて勝つ者のことである。
謀を帷幄の中に運(めぐ)らして、勝ちを千里の外に決す。(『漢書』高帝紀) 
自身は陣中にありながら、策略によって遠く離れた敵を打ち破る。漢の高祖が張良を評した言葉。
始めは処女の如く、終わりは脱兎の如し。(『孫子』九地) 
始めは処女のような弱々しい物腰で敵を安心させ、警戒が解けたら逃げ出した兎のような勢いで敵を粉砕せよ。
白骨は野に露され、千里鶏鳴無し。生民は百に一を遺し、之れを思えば人腸を断つ。(曹操「蒿里行」) 
戦乱により白骨が野にさらされ、千里四方から鶏の鳴声さえ聞こえない。生き延びた者はごく僅かであり、この惨状には腸を断たれるような心地がする。
百戦百勝は、善の善なる者にあらず。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。(『孫子』謀攻篇) 
戦って必ず勝つことは最上の用兵ではない。戦わずに敵を屈服させることこそ最善である。

言葉・文書

口に蜜あり、腹に剣あり。(唐 玄宗)
口でいうことは蜜のように甘いが、その腹中には剣のように冷たく鋭いものがある。 
一時を快くするの論を以て、自ら其の禍い此にいたるを知らず。(蘇東坡「荀卿論」) 
ただ一時を快くする場当たりの論をふりまいて、それが後日の禍根となることに気づかない。
口は乃ち心の門なり。口を守ること密ならざれば、真機を洩らし尽くす。(『菜根譚』前集二百十) 
口は心の出入りする門である。これを厳密に守らなければ、心の真機、つまり一番大事なものを洩らしてしまう。
口は是れ人を傷(やぶ)るの斧なり。(『賓鑑』言語) 
口は人を傷つける斧のようなものである。
言を択び志を篤くするは、業に居る所以なり。(『近思録』為学類) 
言葉を選んで過ちなきを期し、志を篤くして業務に熱心にあたることが、その業務を成功させる要諦である。
言を以て人を挙ぐるは、毛を以て馬を相するが若し。(『鹽鐵論』利議) 
言葉だけを聞いて人を評価するのは、毛色によって馬の良否を判断するようなものだ。外貌ばかり見ていては、その実を見誤る。
至言は耳に忤(さか)らいて、心に倒(さか)らう。(『韓非子』難言) 
道理にかなった言葉は耳に痛く、素直に受け入れにくいものだ。
書、言を尽くさず。言、意を尽くさず。(『易経』繋辞上伝) 
文字では言い表したい言葉を書き尽くすことはできない。また、言葉は思っていることを言い尽くすことはできない。
白圭の玷けたるは、尚お磨くべし。斯の言の玷けたるは、為むべからず。(『詩経』大雅 抑) 
白く美しい宝玉が欠け損じたとしても、磨き上げれば再び美しくなる。しかし、人の言葉は一度言い放ってしまえば、もはやいかなる手段でも取り戻すことはできない。故に言葉は慎まねばならない。
信言は美ならず、美言は信ならず。(『老子』八十一章) 
まことを語る言葉には華やかさや美しさがない。 一方、華やかに飾り立てられた言葉は、まことを語るものではない。
多言は敗多し。(『孔子家語』觀周) 
多弁を弄すると過ちが多い。
忠言は耳に逆らいて行いに利あり。(『史記』淮南王伝) 
よい忠告は耳に痛いが、事をなすにあたっては大いに役に立つものだ。
必諾の言は信ずるに足らず。(『管子』形勢) 
何を言われても返事だけはいいような者は、信用するに値しない。
病は口より入り、禍は口より出ず。(『太平御覧』人事) 
疾病は口腹の欲より起こり、禍難は失言妄語から起こる。
文章は経国の大業にして、不朽の盛事なり。(魏文帝『典論』) 
文章は国家を経綸する大事業であり、永久に朽ちることはない。
説の難きは、説く所の心を知りて、吾が説を以て之れに当つべきに在り。(『韓非子』説難) 
説くことの難しさは、相手の心を読みとり、こちらの説をそれに合わせられるかどうかという点にある。
書は多く看るを必とせず、其の約を知らんことを欲す。(『近思録』致知類) 
書物は必ずしも多読する必要はない。読んだ本の要領をつかむことが大切だ。
書は以て姓名を記するに足るのみ。剣は一人の敵なり、学ぶに足らず。(『史記』項羽紀)
習字を学んだところで、自分の姓名を書くのに役立つだけだ。剣術なども、ただ一人の敵に対するための ものであり、学ぶに足らない。 

財産・貧富

衣食足りて栄辱を知る。(『史記』項羽紀) 
衣食が足りて生活の憂いが除かれれば、自然に名誉を重んじ栄誉と恥辱を知る。
倹より奢に入るは易く、奢より倹に入るは難し。(『小学』外篇 善行) 
質素倹約をやめて贅沢な暮らしをはじめることは容易だが、贅沢な暮らしに慣れてしまうと、元の質素な暮らしに戻ることは難しい。
恒産なければ、因って恒心なし。(『孟子』梁恵王下) 
生活の安定がなければ、心の安定はありえない。
子孫に怠惰を教うるのみ。(『小学』外篇 善行) 
子孫に財産を残しても、子孫に怠惰の習慣を教えるだけだ。
仁者は財を以て身を発し、不仁者は身を以て財を発す。(『大学』傳十章) 
仁者は、財産があればそれを用いて自らを向上させる。不仁なる者は、自らを亡ぼしてでも財産を増やそうとする。
象は歯ありて以て其の身を焚く。(『左伝』襄公二十四年) 
象は牙という宝を持っているために、その身を焼き殺される。人も財貨を多く持つと、そのために禍いを招くことが多い。
大富は天に由り、小富は勤に由る。(『女論語』栄家) 
大いなる富は天命によるもので人力では如何ともしがたいが、小さな富は努力によって得ることができる。
爾は玉を以て宝と為す。我れは子の玉を受けざるを以て宝と為す。(『韓非子』喩老) 
お前は碧玉を宝としている。私はお前の差し出す碧玉を受け取らない心を、私にとっての宝とする。
有りて施さざれば、窮して与えらるることなし。(『荀子』法行篇)
富があるのに人に施すことをしていなければ、自分が困窮した際に、人から与えられることもない。

志気・忠義

豹は死して皮を留め、人は死して名を留む。(欧陽脩『王彦章畫像記』) 
野獣である豹でさえ、死後に美しい皮を残す。霊長たる人間は、死後に美名を残す生き方をせねばならない。
風蕭々として易水寒し。壮士ひとたび去ってまた還らず。(『史記』刺客伝) 
さむざむと流れる易水のほとり、風は蕭々として物寂しい。一度この地を去れば、私はもはや還ることはないだろう。
志ある者は、事竟に成る。(『後漢書』耿弇伝) 
堅い志がある者は、たとえ困難にあっても必ず成し遂げることができる。
志は満たしむべからず。(『礼記』曲禮上) 
全ての物事について、完全に満足するまで求めるという考えは捨てねばならない。欲望は限りないものだから、限度をわきまえることが必要である。
志立たざれば、舵なき舟、銜(くつわ)なき馬の如し。(王守仁) 
志の立たない人は、舵のない舟や轡をはめていない馬のように、ふらふらと進路が定まらない。
志を白刃に降さず。(『魏志』臧洪傳) 
白刃をもって迫ろうと、我が志を屈することはない。
士は己れを知るものの為に死す。(『史記』刺客伝) 
立派な男子は、自分の真価をよく認めてくれた人のために身命をなげうつものだ。
士別れて三日なれば、即ち当に括目して相待つべし。(『三国志』呂蒙) 
有為の人物は、別れて三日後に会ったときには見違えるほど進歩しているものである。
丈夫四海に志せば、万里猶お比隣のごとし。(曹植「贈白馬王彪詩」) 
大志ある人物にとっては、万里の彼方もまるで近隣のようなものである。
力は山を抜き、気は世を蓋う。(『史記』項羽紀) 
力は山を引き抜くほど強く、意気は世をおおい尽くすほど盛んである。
鞠躬尽力し、死して後已まん。(『三国志』諸葛亮) 
主命に従い力を尽くし、この身が死するまで敵国と戦い続けよう。
老驥は櫪に伏すとも、志は千里に在り。烈士の暮年、壮心已まず。(曹操「歩出夏門行」)
駿馬は年老いて馬小屋に繋がれていても、千里を駆ける気概を持っている。同じように、志の高い者は晩年になっても、やらんかなの壮心を失わないものだ。 
身を屈すれども道を屈せず。(『宋名臣言行録』王禹偁) 
人は逆境や貧窮に屈することがあるが、それは一時の運。たとえ境遇に屈するとも、守るべき道義を曲げてはならない。
苟も社稷に利あれば、即ちその身を顧みず。(『忠経』天地神明) 
国家の利益になると知れば、自分の得失などは顧みない。それが忠義というものだ。
義は人の大本なり。(『淮南子』人閒訓) 
義は人間万事の行動の大本である。
忠臣は二君に事(つか)えず。烈女は二夫を更(あらた)めず。(『小学』内篇 明倫) 
忠義の臣は二人の君主に仕えることはない。同じように、節操の正しい女性は二人の夫に仕えることはない。

処世・処事

公私の分を明らかにし、法制を明らかにして私恩を捨つ。(『韓非子』飾邪) 
公私の区別と法制を明らかにして、私事の恩義などは捨て去ることが明主への道である。
功遂げて身を退くは天の道なり。(『老子』第九章) 
功績をあげ名声を得た後は、その地位から退くのが天命に従うということである。
郷に入りては郷に従い、俗に入りては俗に随(したが)う。(『童子教』) 
新しい土地に来たら、その土地の風俗習慣に従うがよい。
士の世に処るは、錐の嚢中に処るが若し。(『十八史略』春秋戦国 趙) 
優れた人物とは鋭い錐のようなもの。錐を袋に入れれば穂先が突き出すように、機会を得ればたちどころにその才能を発揮する。
語言少なく、善く人に下り、喜怒を色に形さず(『三国志』) 
寡黙で謙虚であり、喜怒哀楽の感情を表情に出すことがない。蜀の劉備を評した言葉。
知らずして言うは不智なり、知りて言わざるは不忠なり。(『韓非子』初見秦) 
よく知りもしないのに口を出せば、自らの不知を示すことになる。知っているのに言わなければ、真心が足りないことになる。
趨舎時あり。(『伯夷伝』) 
人の進退にはおのおの時機があるものだ。
先んずれば即ち人を制し、後るれば則ち人の制する所と為る。(『史記』項羽本紀) 
他人より早く行動を起こせば有利な立場に立つことができるが、他人に先を越されれば不利な立場に身を置くことになる。
術あれば即ち人を制し、術なければ即ち人に制せらる。(『准南子』主術訓)
法律制度などの手立てがあれば臣民を制御できるが、手立てがなければ却って臣民に牽制される。
滄浪の水清まば、以て吾が纓を濯うべし。 滄浪の水濁らば、以て吾が足を濯うべし。(『楚辞』漁父) 
滄浪の水が澄んでいたら、冠の紐を洗おう。濁っていたら、足を洗おう。時勢に応じた出処進退をなすことが大切である。
虎豹は其の爪を外にせず、噬(か)むに歯を見(あら)わさず。(『淮南子』兵略訓) 
猛獣は爪や歯を隠して外に表わさない。強者は軽々しくその威を外に示さない。
久しく尊名を受くるは不祥なり。(『十八史略』春秋戦国 呉) 
長い間、高い地位にあり名誉を受けていることは、不祥(不吉)であり、不幸のもとである。
理に順(したが)えば則ち豊かに、欲に従えばこれ危うし。(『小学』外篇 嘉言) 
道理に従えば、いつも心は豊かである。対して、欲に従えば破滅を免れない。
百万もて家を買い、千万もて隣を買う。(『南史』呂僧珍伝) 
住宅に百万の金をかけるなら、近隣に千万の金をかける心がけが必要だ。住居を定めるにあたっては、家の良悪よりも近隣の良悪を考えねばならない。
罪の疑わしきは惟れ軽くし、功の疑わしきは惟れ重くす。(『書経』大禹謨) 
罰すべきかどうか疑わしい場合は刑罰を軽くし、功績の定めにくい場合は行賞を重くするがよい。
罪を同じくして罰を異にするは、刑に非ざるなり。(『左伝』襄公六年) 
同じ罪を犯したならば、同じ罰を科さなければならない。罰がその実と矛盾するようでは、法律とはいえない。
吾敗るる所以を知る。諸卿これを観よ。今より已後また敗れじ。(『三国志』曹操) 
私には、敗れた原因が分かっている。諸君、見ていてくれ。今後は二度と敗北することはない。
事を処するには心あるべからず。(『宋臣名言録』韓琦) 
事を処置するにあたっては、それが正しいか正しくないかということのみを考えるべきで、そこに利害や栄辱などという他の心があってはならない。
断じて敢行すれば、鬼神もこれを避く。( 『史記』李斯伝)
断乎として行えば、鬼神も路を避けてその人の意思に従うものだ。
原(みなもと)清ければ即ち流れ清く、原濁れば即ち流れ濁る。(『荀子』君道篇) 
源が清ければ下流は清く澄み、源が濁れば下流も必ず濁る。全て根本を正すことが肝要である。
千歳を観んと欲すれば、則ち今日を審らかにせよ。(『荀子』非相篇) 
遠い将来のことを知ろうと思うなら、まず今日のことを明確に知るがよい。
虎を縛するは急ならざるを得ず。(『三国志』曹操) 
虎のように勢いと力があるものを捕縛するには、急いでやらねばならない。
大功を成す者は衆に図らず。(『戦国策』趙策) 
大事業をなそうとする者は、独断専行して、いちいち人に相談することはない。
冷眼にて人を視、冷耳にて語を聴く。(『菜根譚』前集二百六) 
人を見るには冷静な目でもってし、人の言葉は冷静な耳で聴く。そうすれば、見損ないも誤解もせずにすむというものだ。
小利を顧みるは、則ち大利の残なり。(『韓非子』十過) 
小さな利益に惹かれることは、大きな利益を得るための妨げとなる。
小利を見れば、則ち大事成らず。(『論語』子路) 
目先のことにとらわれると、大局を見誤る。小さな利益に心を奪われては、大きな仕事はできない。
人事を尽くして天命を待つ。(胡寅『読史管見』) 
人として出来る限りのことをして、あとはただ天命にまかせる。
長袖は善く舞い、多銭は善く買う。(『韓非子』五蠹) 
長い袖の衣装を着て舞えば自然と美しく見え、多くの銭を持っていれば巧みに商売ができる。
越の鶏は鵠の卵を伏す能わず。(『荘子』雑篇 庚桑楚)
越国の小さな鶏は、大きな白鳥の卵を孵化させることはできない。小は大を制することができないたとえ。
溺れに及んで船を呼ぶ。(『通俗篇』器用) 
溺れかかってから船を呼んでも益はない。悔いても及ばぬたとえ。
急なれば則ち破る。(柳子厚「桐葉封弟辯」) 
何事も急いでやると失敗するものである。
能狼も衆犬に敵し難し。(『通俗篇』獣畜) 
優れた狼も、多数の犬には敵わない。多勢には敵しがたいたとえ。

まだストックがあるので、次回に続きます。とりあえず、次回で紹介しきれるかと。

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