ガンダムシリーズの名曲(インスト編 / その2)

イチオシ楽曲:ASSAULT WAVES

機動戦士ガンダム0083STARDUST MEMORY~ASSAULT WAVES

1991年~1992年に製作・公開された『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』は、その骨太なドラマと精緻な映像表現から傑作との呼び声が高い作品です。

<あらすじ>
ジオン軍の敗北で幕を閉じた一年戦争から3年、地球連邦軍再建計画に基づき連邦軍が製造したガンダム試作2号機を、ジオン軍の残党が強奪。かつて「ソロモンの悪夢」と呼ばれたエースパイロット:アナベル・ガトーが駆るガンダム試作2号機の前に、連邦軍の新米パイロット:コウ・ウラキが乗るガンダム試作1号機が立ちはだかる。以降、ガトーとコウは、ガトーが属するデラーズ・フリートが目論む極秘作戦「星の屑」の成就と阻止を巡って激闘を繰り広げる。

ガンダム試作2号機のアトミック・バズーカは、地球連邦軍艦隊を消し飛ばした

<解説と魅力>
「ASSAULT WAVES (アサルト ウェーブス)」は、和訳すれば「強襲揚陸波」となるそうです。曲名の基になったと思われる軍艦の一種「強襲揚陸艦」は、敵軍の水際防御を突破した後に、ヘリコプターや舟艇を用いて、あるいは直接海岸に乗り上げることで人員や装備を上陸させることを目的とする艦船です。上陸作戦は迅速かつ的確に遂行すべきなのでしょうが、「ASSAULT WAVES」も強襲揚陸艦の特徴を表現しているかのように緊張感に溢れた楽曲となっており、劇中の重要な戦闘シーンでよく用いられていました。

ガトーのノイエ・ジール(左)とウラキのデンドロビウム(右)が繰り広げる戦闘は空前絶後のスケールであった

楽曲構成としては、軍靴の響きを表現するかのようなドラムに合わせ、ストリングスが高音域で躍り続けます。ホーン(吹奏楽器)は力強く吠え、ときおり聴こえる打楽器の轟きは戦場における緊迫感や絶望感を表現しているかのようです。

これだけでも十分にカッコイイ楽曲なのですが、(youtubeで聴ける音源ではなく)原曲ver.では、さらにメリハリに溢れた編曲がなされています。 中間部で転調を繰り返すことによって、聴いているだけで焦燥感が強まるような演出になっているんですよね。音楽は耳で聴くものですけれど「心にダイレクトに働きかけてくる」という印象を受けた楽曲です。機会があれば、原曲ver.もご一聴ください。

イチオシ楽曲:燃えあがれ闘志 忌まわしき宿命を越えて

機動武闘伝Gガンダム bgm 燃え上れ闘志 忌まわしき宿命を越えて

1994年~1995年に放送された『起動武闘伝Gガンダム』は、ガンダムが格闘技で戦うという、それまでのガンダム像を打ち砕く異色の作品でした。賛否が分かれることもありますが、熱い人間ドラマと特徴的なメカニック・デザインに魅了されるファンも多いです。

<あらすじ>
未来世紀、荒廃しつつある地球を捨てた人類は、宇宙にコロニー国家を作り生活していた。各国は宇宙での大規模な戦争を避けるため、各国の代表としてガンダム同士を闘わせる「ガンダムファイト」を創案。そして、未来世紀60年に開催されるガンダムファイト第13回大会に参加すべく地上に降りたネオジャパンのファイター:ドモン・カッシュ。しかし、彼の真の目的は、祖国ネオジャパンを裏切ったうえ、母を殺し、デビルガンダムを奪い失跡した兄のキョウジを捜すことであった。ドモンの前に、かつての師匠にして最強の格闘家である東方不敗マスター・アジアと、デビルガンダム軍団が立ち塞がる。

激戦の末に倒れたシャイニングガンダムを抱くゴッドガンダム

<解説と魅力>
前述のとおり『起動武闘伝Gガンダム』は斬新な作品であったわけですが、サウンドトラックも過去作のそれとは趣を異にするものでした。個人的な印象では、『起動武闘伝Gガンダム』以前のガンダムシリーズのサウンドトラックは、クラシック音楽的なアプローチで制作されている楽曲が多いように思います。以前ご紹介した「AURORA」などはまさにそうで、ピアノやストリングスによる演奏からは「クラシックの名曲」と紹介されても頷けるような、荘重な雰囲気が感じられます。

人間味に溢れた主人公ドモン・カッシュ

それに対して、田中公平氏の手による『起動武闘伝Gガンダム』のサウンドトラックでは、クラシック音楽的な要素はかなり薄くなっています。今回ご紹介する「燃えあがれ闘志 忌まわしき宿命を越えて」をお聴きいただければ分かるとおり、一聴しただけでメロディが強く耳に残り、つい口ずさみたくなってしまうほどです。このような強烈なメロディを主軸とするアプローチは、ポップス的というよりも、演歌的といった方がしっくり来るかもしれません。

仇敵デビルガンダム(右)とマスターガンダム(左)

「燃えあがれ闘志 忌まわしき宿命を越えて」は、『起動武闘伝Gガンダム』の前半のメイン・テーマのひとつであり、主人公ドモン・カッシュが、実兄が駆る宿敵デビルガンダムと激闘を繰り広げるシーンを始めとして、展開的に「燃える」シーンで必ずといっていいほど用いられています。

基本的には勇壮な曲調なのですが、曲名にも表れているとおり、ドモンの闘志が燃えあがる裏には、彼の家族の身に起きた無残な悲劇が横たわっています。そのため、ドモンの勇猛果敢な姿を表すような旋律と同じくらいの割合で、聴く人の胸に迫る悲愴な旋律も織り交ぜられているわけですね。

2分足らずの短い楽曲でありながら、悲劇と宿命に苦しみながらも、力の限り戦い続けるという主人公の姿を巧みに表現しているという点で、非常に優れた楽曲だと言えるのではないでしょうか。さすが、日本のアニメ音楽界の重鎮である田中公平氏の作品です。

さて、今回はここまでとします。次回は『機動戦士ガンダムUC』からの名曲をご紹介したいと思います。

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